建学88年観閲式理事長式辞
日本航空学園は今年で建学88年を迎えました。日本人は88才を迎えますと米寿と言ってお祝いをするものです。2年後には90周年を迎えます。En route to our 100th year というポスターも完成したところです。学園もこの88年を心から感謝し、これまで学園の発展に寄与されてきた卒業生、保護者、教職員にまた学園を支えて頂いたキャンパスのある北海道、石川県、山梨県の行政、そして地元の皆様、国土交通省航空局、航空関連団体そして何と言っても航空関連企業の皆様に心から感謝御礼申し上げます。
今、私達は山梨キャンパスの滑走路に立っています。本日は南に富士、北に八ヶ岳そして西に南アルプス、東に秩父連山を望む大パノラマの中に立っています。私たちはこの大自然に生かされております。この大自然の中での各キャンパスの環境にも感謝しなければなりません。88年前、創立者梅沢義三先生は航空教育を通して愛国の精神を培うと言って、建学いたしました。国とは先程述べましたように大自然環境、国家行政、国民の生成化育により成立っており、学園の教育はこの全てに感謝し調和するという意味で愛国の精神を説かれたものです。また人類平和共存、福祉向上のために私達は学ばなければなりません。しかしながら第二次世界大戦という誠に不幸な出来事があり、学園も必死になってこれを乗り越えて参りました。そして幾多の困難を乗り越え今日まで来られました。
何と言っても私の前に整列する元気の良い生徒諸君がその時代、その時代に在校した生徒諸君が努力して実績を残してくれたお陰であります。またこれを支えて頂いた保護者の皆様のお陰でもあります。
さて今、世界は新型コロナウイルスという目に見えない不思議な敵と戦っています。人類はこの敵に勝てるでしょうか。私は、戦争やゲーム試合と違って勝負ではないと思うのです。大自然森羅万象の一つとして考え、これまでの生活は終わり、新しい生活時代に入ったと諦め、生活や仕事を変えてしまわなければなりません。私はこのことをコロナ騒動が始まった時に世界の歴史、人類の犯した過ち等を振り返り、これは直ちに変化させなければいけないと判断しました。私たちが壁にぶつかったならば、ただちに学習し考察し変化させて挑戦すると説いてきました。従って、直ちにコロナの特性を学習し学校を変化させてきました。オンライン教育の徹底やシステムの構築、職員室のフリーアドレス化とホールへの移動、学校行事への対策等です。全てのキャンパスが他校に1歩先んじて学校行事を変化させニュースにもなりました。
これは異常なことではありません。大自然森羅万象の生成化育、発展のプロセスと考えるべきです。この試練に逆に感謝し、更に良き教育システム組織構築のチャンス到来と考え、挑戦すべきであります。二代目理事長梅沢鋭蔵先生は校訓を定めました。そうです。今回の試練に直面した時、校訓を読み直しました。
一、礼節を尊び忍耐努力の精神を体得すべし
一、熟慮断行以て風林火山たるべし
一、至誠一貫信義を重んずべし
一、質実剛健文武両道に徹すべし
一、敬神崇祖以て伝統を承継し祖国を興隆すべし
この校訓の中には我々の生き方がすべて説かれています。学園の建学の精神の原点に立返ることがコロナ騒動を乗り越える大きな教訓となるのです。生徒諸君の大活躍は言うまでもありません。運動部、文化部の成績は驚くべきことです。私は諸君の元気な姿、笑顔から毎日学んでいます。本当にありがとう。心から感謝申し上げ式辞といたします。